こんにちは。看護師歴28年、 骨盤底筋トレーニング【YUI】の 北條裕紀恵です
子どもの成長と共に、ママが子どもと一緒に飛び跳ねて遊ぶ機会は増えていくでしょう。
そんな時、子どもに誘われてポ~ン!とトランポリンに飛び乗り大きく宙を舞い着地した瞬間、ヤバい!と焦ったママは少なくありません。
ご来店されるお客様に「初めての尿漏れはいつですか?」とお聞きすると、「子どもと一緒にトランポリンをした時」と答えるママは多いんです。
トランポリンで尿漏れしたなんて目の前で楽しんでいる子どもには言えないし、きっと困ったことでしょう。
そして、突然の尿漏れに落ち込んでしまいます。
でも、大丈夫です。今からしっかりとトレーニングを行えば尿漏れは軽快する可能性があります。
しかし、「トランポリンをしなければ大丈夫だから」とじっとしていては何も解決しません。
このようなトランポリンをして尿漏れした産後の女性は、今後トランポリン以外でも尿が漏れてしまうリスクが高まります。
だから今のうちに、今後尿漏れに悩まされないためにもしっかりと尿漏れ対策をしていきましょう。
この記事ではこんな方にオススメです
- 産後にトランポリンをして尿漏れしたママ
- 子どもと一緒に遊んで尿漏れしたことがあるママ
- 産後にくしゃみやジャンプで尿漏れするママ
- 今後職場復帰をして尿漏れが心配なママ
トランポリンで尿漏れしても大丈夫!落ち込まないこと!
トランポリンして突然の尿漏れで落ち込みましたよね。
子どもと一緒にトランポリンして尿漏れしてしまったというママは少なくありません。
今回はたまたまトランポリンで尿漏れしましたが、尿漏れするきっかけは人それぞれです。
よくあるその他のシチュエーションは以下になります。
- 子どもと一緒に縄跳び
- 下の子を抱っこして上の子を追いかける
- ヨガをして息張る
- 子どもと一緒にかけっこ競争
- 大きくなった子どもを抱き上げたら
このような、お腹に勢いよく力が加わった時、突然尿漏れを経験したというママは多くいらっしゃいます。
他のママが言わないだけで、産後に尿漏れを経験している人は多いんです。
だから、尿漏れしたから恥ずかしいとか、情けないとかで落ち込まないでください。
また、尿漏れをパパに話して笑われたというママも少なくありません。
男性と女性は体のつくりがそもそも違うし、産後の体の変化を男性は理解できませんから笑われても気にしないようにしましょう。
トランポリンで尿漏れしたからとじっとしているのはダメ
トランポリンで尿漏れしたことがトラウマになり以下の様なことを避けて生活してしまいます。
- もう運動はしない
- 激しく動かない
- 子どもと外で遊ばない
尿漏れするからじっとしていようという考えは間違いです。
なぜなら、じっとして運動をせず太れば尿漏れのリスクは余計高まるからです。
そうでなくても、多くのママが産後に太り元に戻らないと悩んでいる人は多いはず。
ダイエットしただけで尿漏れが軽くなったという人は沢山いらっしゃいます。
トランポリンで尿漏れしたのはどうして?
トランポリンで尿漏れしたのは骨盤底筋という筋肉が弱くなっているからです。
骨盤底筋という筋肉は、体の底にあり尾骨から恥骨にかけてハンモック上に骨盤の内側に広がっている筋肉です。
そして、骨盤底筋は内臓を支えたり尿や便の排泄をコントロールしたりする役割があります。
女性で骨盤底筋が弱くなると以下の様なリスクが高まります。
- くしゃみやジャンプでの尿漏れ
- 膣から子宮などの臓器が落ちてくる
女性の骨盤底筋がたわむ原因は下記のものが考えられます。
- 膣からの出産
- 吸引・鉗子分娩
- 長年のひどい便秘
- 腹圧をかける活動を長期間している
- 女性ホルモンの変化
産後のママで考えられるのは膣からの出産になります。
出産時は、女性ホルモンにより骨盤底筋がゆるみ、またかなり引き伸ばされて赤ちゃんが出てきます。
そして、産後はさらに女性ホルモンが変化し自然と元の体に戻るようになります。
しかし、出産による骨盤底筋への衝撃は、自然に治る力だけでは不十分です。
そのため、トランポリンなどの大きな力が加わると骨盤底筋はたわんで尿道を支えられずに尿が漏れてしまいます。
トランポリンはそもそも尿漏れが起こりやすい
トランポリンは骨盤底筋に強い負荷がかかりますので尿漏れが起こりやすいと言われています。
トランポリンは、衝撃を吸収してくれて宙に浮くため体に負担がかからないイメージがあるかもしれません。
膝や腰などの大きな関節には負担はかかりませんが、骨盤底筋には大きな重力が加わっています。
トランポリンで、大きく上に上がり着地をした瞬間に内臓が下がるような感覚がありますよね。
あの瞬間、内臓や脂肪の重みが一気に骨盤底筋に加わわります。
そうすると、骨盤底筋はたわみ、しっかりと尿道を支えられなくなり尿が漏れてしまうのです。
また、トランポリンと尿漏れの関連を調べた研究があります。
- スウェーデン女性トランポリン選手35人
- 尿漏れに関するアンケート調査
- 12-22歳 平均15歳
- トランポリン経験1-4年
- このうち10人は骨盤底筋の強さは良好
Eighty percent of the trampolinists reported involuntary urinary leakage, but only during trampoline training. The leakage started after 2.5 (range 1–4) years of training. Age (P < 0.001), duration of training (P = 0.04), and training frequency (P = 0.01) were significantly associated with leakage. All women above 15 years of age (n = 23) reported urinary leakage (P < 0.001).
80%の人がトランポリン中に無意識の尿漏れを経験していた。尿漏れを経験したのはトランポリンを初めて平均2.5年だった。そして、年齢、トレーニング期間、トレーニングの頻度は尿漏れと有意に関連していた。15歳以上の選手全員に尿漏れ経験があった。
参考文献:K.Eliasson, T.Larsson, E.Mattsson (2002). Prevalence of stress incontinence in nulliparous elite trampolinists. The Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports
要約の一部を抜粋したものですが、若い女性でも尿漏れが起こりトランポリンは尿漏れのリスクが高いことが分かります。
たまたま子どもと一緒に遊んだトランポリンで尿漏れを経験しても日常生活で漏れなければ大丈夫だと思うでしょう。
しかし、トランポリンで尿漏れしたということは骨盤底筋が衰えているサインです。
日常生活では漏れないからといってこのまま放置すればいずれくしゃみやジャンプで尿漏れが起こるかもしれません。
女性の尿漏れリスクは年齢と共に高まる
女性の尿漏れは、ある一定の時期までは加齢とともに増加すると言われています。
- 1985年4月名古屋市内の一般企業の職場健診にて
- 975名の女性を対象にアンケート
- 回答率 93.3%
- 対象年齢19-69歳 10-20代が全体の7割
1)尿失禁が現在あるものは全体の8.5%,過去にあったが消失したものは6.7%であった.
2)尿失禁保有率は年代と共に増加し、40代をピークとしてその後やや低下した(10代1.5%,20代4.2%,30代17.7%,40代23.9%,50代21.8%,60代20.0%)
3)出産回数が多いほど、尿失禁保有率は高かった(0回4.3%,1回15.2%,2回24.0%,3回以上34.3%)
4)未産婦の尿失禁保有率は,年代と共に上昇した.
5)尿失禁の現在ある群の平均体重は,尿失禁の経験ない群より,30代,50代,60代では統計的に重かった.
参考文献:加藤久美子,近 藤 厚 生,岡 村 菊 夫,高 羽 秀 典(1986).「就労女性における尿失禁の実態調査」.日本泌尿器科學會雑誌, 77巻, 9号
尿漏れは年齢と共に増加し、出産回数や体重増加も関係あるということが分かりますね。
トランポリンをしなければ大丈夫ではない!今の内にしっかりとした尿漏れ対策を!
トランポリンをしなければ大丈夫と尿漏れを放置していてはダメだということはお判りいただけましたか。
トランポリンで尿漏れをしたのはショックではなく、今後のために良いサインだったと捉えて今から積極的にトレーニングをしましょう。
トランポリンの尿漏れには骨盤底筋を鍛える
トランポリンの尿漏れには、骨盤底筋をしっかりと鍛えれば大丈夫です。
上のイラストを見てください。
骨盤底筋の中央に、前側から尿道・膣・肛門という順に並んでいます。
骨盤底筋を鍛えてしっかり筋力がつけば尿道がしっかりと支えられて尿漏れは軽快します。
骨盤底筋を鍛えるためには、一般的な体操では鍛えることができません。
そのため、骨盤底筋を鍛えるために特化したトレーニングをしっかりと行う必要があります。
正しいトレーニングで骨盤底筋を鍛える
しっかりと効果的な骨盤底筋トレーニングは、骨盤底筋をきちんと意識して動かすことが大切です。
膣トレとよく言われますが、膣は自分の意思では動きませんから膣の筋肉を鍛えることはできません。
しかし、骨盤底筋は自分の意思で動かすことができますのでしっかりと意識して動かせば鍛えられます。
骨盤底筋を効果的に動かすためには以下のポイントに注意をしてくださいね。
骨盤底筋の鍛え方の4つのポイント
骨盤底筋を鍛える時は、自分の骨盤底筋の場所をしっかりと意識して動かすことが大切です。
頑張って骨盤底筋を鍛える体操をしていても、そもそも骨盤底筋を意識できないのなら効果的に動かしているとは言えません。
ポイント1:骨盤底筋の場所を認識する
骨盤底筋の場所は自転車のサドルに当たる部分です。
また、椅子に座ると両方のお尻に骨(坐骨)が当たります。
その両側の坐骨の内側にあり尾骨から恥骨にかけてハンモック状に広がっています。
椅子に座ってトレーニングをする時は、股間にタオルをあててトレーニングをすると骨盤底筋の動きが感じやすくなります。
上の画像の様にバスタオルをロール状にして股間に当ててみてください。
ポイント2:骨盤底筋に意識をフォーカスする
骨盤底筋の場所が分かったら、そこをギューッと締めてみましょう。
動いているかハッキリと分からない人は、入浴時に膣に指を入れて動かしてみてください。
骨盤底筋を動かした時に指に抵抗を感じられたらきちんと動いています。
ポイント3:動かす時にイメージしてみる
骨盤底筋を動かす時に以下のイメージをしてみてください。
- 猫と尻尾をクルクルと自分の方向に丸める
- クリトリスをお辞儀させる
- 膣から麺類を吸い上げる
骨盤底筋は、体の奥にあり関節運動がないため自覚がしにくい筋肉です。
そのため、イメージしながら動かすことはとても有効です!
ポイント4:骨盤を正しい位置にして動かす
反り腰や椅子にズリっと座ると骨盤が正しい位置になく骨盤底筋は均整が保たれず効果的に動かすことができません。
そのため、骨盤底筋を鍛える時は、正しい姿勢を意識して動かしましょう。
もっと詳しい骨盤底筋トレーニングについてはこちらの記事を参考にしてください
骨盤底筋トレーニングをするなら骨盤底筋をしっかりと意識しましょう!
骨盤底筋の正しいやり方 あなたはきちんと動かせていますか?
具体的にどんな動きか動画で見てみる
これは、私の骨盤底筋トレーニング指導しているところを動画にしたものです。参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたか。
トランポリンで突然の尿漏れするとショックですよね。
でも、トランポリンをしなければ漏れないからとそのまま放置するのはやめましょう。
なぜなら、女性は下記の理由から尿漏れのリスクが高まるからです。
- 加齢とともに尿漏れのリスクは高まり
- 出産回数が多いほど尿漏れのリスクも高まる
今後、育児が落ち着いたら仕事を考えているママは、今の内から尿漏れ対策をしておくことをオススメします。
なぜなら、仕事が始まる直前で駆け込んでくるお客様が多いからです。
骨盤底筋を鍛えて尿漏れを軽快するためには地道なトレーニングが必要です。
なぜなら、効果が出るまでには2~3ヶ月かかると言われているからです。
ですので、下記のポイントをしっかりと抑えて、諦めず面倒くさがらずに日々トレーニングをしてください。
- 骨盤底筋をしっかりと認識する
- 骨盤底筋に意識をフォーカスする
- 動かす時にイメージしてみる
- 骨盤を正しい位置にして動かす
自分でやってみたけど、やっぱり骨盤底筋が動いているのが分からない、またはモチベーションが続かないという方は私が全面的にサポートします。
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