こんにちは。看護師歴28年、 骨盤底筋トレーニング【YUI】の 北條裕紀恵です
みなさんは、骨盤底筋という筋肉を聞いたことはありますか？
骨盤底筋は、体幹のインナーマッスルで体の底にある筋肉です。
この筋肉を鍛えることによって、尿漏れや子宮脱といった女性特有の不快な症状を改善することができます。
しかし、骨盤底筋は見えな所にあり関節がないので感じにくく正しく動いているかどうか分かりにくい筋肉です。
骨盤底筋トレーニングをしていたというお客様の動きを確認すると全く動かずに間違ったトレーニングをしている方が少なくありません。
そこで、間違った骨盤底筋トレーニングと正しい骨盤底筋トレーニングについてお話をします。
骨盤底筋トレーニングの間違いあるある3つ
1. 恥骨を上げて骨盤を動かす
骨盤底筋を動かそうとして、股関節に力を入れて、恥骨を上方にあげる人がいます。
この様な動きは股関節や腹筋を使っているだけで、中の骨盤底筋は動いていないことがほとんどです。
2. ヒップアップ
仰向けに寝て骨盤底筋トレーニングを促すと、一生懸命、お尻を持ち上げてギュッと締め上げる人がいます。
これもお尻の筋肉を動かしているだけで骨盤底筋はほとんど動いていません。
やたらと腹筋を動かす
骨盤底筋を強く動かそうとして、大きな腹式呼吸で腹筋を使いお腹にかなり力を入れて動かす人がいます。
しかし、このように腹筋を動かしていても骨盤底筋が全く動いていないということがほとんどです。
このような動きでは、骨盤底筋を引き上げるように動かせず、押し出してしまう人が多くいらっしゃいます。
押し出すような動きは、骨盤底筋を鍛えるどころかストレスを与えてしまうので逆効果と言われ、25%の女性がこのような間違った動きをしていると言われています。※
※Bump(1991)
骨盤底筋の間違った動きと正しい動き
実際の間違った動きと正しい動きの超音波画像をご紹介します。
黒い楕円形が膀胱です。
膀胱の下に骨盤底筋がありますので、正しく動かせていれば膀胱は上に上がります。
間違った動き
押し出す様な間違った動きは、ただ動かせばいいと思っている方に多い印象です。
押し出す間違った動きとは排便時は出産時のような動きでエコーでみると膀胱の底が下がります。
下は間違った動きの動画です。膀胱の底が下がっているのが確認できます。
正しい動き
骨盤底筋が正しく引き上げる様に動かせていれば膀胱の底が上がります。
下は正しい動きの動画です。膀胱の底が上がっているのが確認できます。
骨盤底筋体操をその他大勢でする場合
健康教室やスポーツクラブなどで骨盤体操というものがあります。
一般的に行われている骨盤体操は、骨盤（骨）の体操であって、骨盤底筋（筋肉）を鍛える体操ではありません。
骨盤底筋トレーニングであっても、1人の先生に対してその他大勢っでやる場合、一人一人の骨盤底筋が本当に動いているかを先生は知ることができません。
そのため、このようなその他大勢での骨盤底筋トレーニングの場合は、体操している本人が骨盤底筋をしっかり意識して体操をすることが大切です。
骨盤底筋トレーニングで大切なこと
骨盤底筋トレーニングで大切なことは、しっかりと骨盤底筋が動いているか確認することが大切です。
そして、骨盤底筋が動いていることが確認できたら、次は自分がどこを意識をすれば骨盤底筋が動くかをしっかりと把握することが大切です。
骨盤底筋に効くと言われいるどんな動きでも、体操している本人が自分の骨盤底筋をしっかりと意識しないと積極的には動かないのです。
骨盤底筋体操やエクササイズは、他の筋肉を使い間接的に骨盤底筋を鍛えることができます。
しかし、遠回りですよね。そのため骨盤底筋が自分で動かせるなら直接的に動かして鍛えた方が効果的です。
骨盤底筋が正しく動いているか自分で確認する方法
骨盤底筋は、体の底にあり関節運動もないため確認することが難しい筋肉です。
しかし、女性が自分で確認する方法は以下の2つがあります。
- 膣に指を入れて確認
- 股にバスタオルを挟んで確認
1．膣に指を入れて確認
入浴時に、膣に指を入れて確認してみましょう。
- 人差し指か中指を第2関節まで膣に入れる
- 指を締め付け、自分の中に吸い上げるように力を入れる
これで、指が締め付けられるような感じがあれば骨盤底筋は動いています。
指に何も感じない時は…
骨盤底筋を動かしても指に動きを感じられない時は、以下のようにしてみてください。
- 同じように指を第2関節まで膣に入れる
- 入れた指を肛門の方に圧迫する
2．股にバスタオルを挟んで確認
膣に指を入れることに抵抗がある方は以下のようにして確認をしてみてください。
- バスタオルをロール状にする
- ロール状にしたバスタオルを股間に当てて座る
座る時は、ソファなどは避けて硬い椅子に座りましょう。骨盤底筋を動かしてみてバスタオルが当たる部分に動きを感じられたら動いています。
しかし、この時も骨盤底筋が押し出すような動きにならないように注意しましょう。
動きを感じられたら、自分はどこを意識してどうやって動かしているのかをコツをつかみましょう。
そうすれば、何もしなくても正しく動かせるようになります。
骨盤底筋トレーニング【YUI】では簡易エコーで確認しています
骨盤底筋トレーニング【YUI】では、骨盤底筋が正しく動かせているか、またどのくらい動かせているかを簡易エコーで確認できます。
簡易エコーは、下腹部にエコーの器具を当てるだけですので負担は全くありません。
骨盤底筋の強さの指標
指診にて骨盤底筋の強さを調べる時、指標となるものがあります。
主観的なものになりますが、一応学術的にも使われているものです。
それが以下のオックスフォードスケール
0：筋肉の動きが全く感じられない
1：僅かに筋肉の動きは感じられるが収縮はない
2：抵抗を加えないで膣がしっかりと収縮する
3：強い抵抗を加えるとそれを押し返す反発が感れられる
4：指診しているが指が吸い込まれるような感覚でしっかりと締めることができる
まとめ
いかがでしたか。
今回は、正しい骨盤底筋がどういうものか、また正しく動いているかどうかを確認する方法について書いてみました。
腹筋やお尻を動かしても骨盤底筋は動いていません。
骨盤底筋が正しく動いているのか確認する方法は以下の2つ
- 膣に指を入れて確認
- ロール状のバスタオルを股間に挟んで確認
骨盤底筋は正しく動かさなければ効果的に鍛えられません。自分で正しく動いているかしっかり確認をしながらトレーニングしてくださいね。
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