生理中の排尿の痛みや血尿の原因は膀胱炎以外に子宮内膜症が考えられる

看護師からのアドバイス

こんにちは。看護師歴28年、 骨盤底筋トレーニング【YUI】の 北條裕紀恵です

生理中は、血液の汚れややナプキンの使用でデリケートゾーンの清潔が保たれず膀胱炎になりやすくなります。

しかし、生理中の膀胱炎のような症状でもう一つ考えられるのが子宮内膜症です。

子宮の内側には子宮内膜というものがあります。子宮内膜がはがれることで毎回生理が起こります。

子宮内膜症は、子宮の内側にあるべき内膜が何らかの原因で子宮の内側以外の場所にできてしまう病気です。

そして、この子宮内膜が膀胱にできてしまうことを膀胱子宮内膜症と言います。

膀胱子宮内膜症の症状は

  • 排尿時、または排尿後の痛み
  • 尿に血が混じる

といった膀胱炎に似た症状が起こります。そのためひどい膀胱炎になってしまったと勘違いしがちです。

しかし、膀胱子宮内膜症には膀胱炎に似た症状の他に重い生理痛が伴います。そして、生理痛は回数を重ねるごとにひどくなっていきます。

生理の時に排尿時の痛みがあり、さらに尿に血が混ざるという膀胱炎のような症状が毎回繰り返されるのであれば膀胱子宮内膜症も頭に入れて婦人科や泌尿器科を受診しましょう。

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮の内側にある内膜が子宮の以外にできてしまう病気です。

子宮内膜症がよくできる場所と言われているのが以下になります。

  • 卵巣
  • 卵管
  • 骨盤内のスペース
  • 子宮の筋肉の中(子宮腺筋症)

そして、稀ではありますが以下にあげる臓器にもできます。

  • 膀胱
  • 尿管

子宮内膜なので、子宮の内側以外にできた子宮内膜も女性ホルモンの影響を受けます。そのため生理と同じタイミングで出血や痛みが起こります。

膀胱子宮内膜症

膀胱子宮内膜症は生理の時に膀胱炎に似た以下の症状があります。

  • 排尿の時の痛み
  • 排尿後の痛み
  • 尿に血が混じる
  • 尿道や膀胱の痛み

検査・治療

検査は超音波検査やMRI検査の他に、膀胱専用のカメラを尿道から入れて直接膀胱の中を観察します。

治療には手術と薬で対応する方法があります。

手術では膀胱の中にできている内膜の部分を切除します。

薬は、生理が来ないようにして内膜の動きを止めます。

生理が来ないようにするための薬は、低量ピルを飲む方法とホルモン注射で生理を止める方法があります。

生理痛が重くて生理の時に膀胱炎になるなら

生理痛も膀胱炎も女性にとっては特別感はなく慣れている症状です。

そのため、生理痛がひどいと市販の痛み止めを飲み、膀胱炎になっても生理が終われば治るからと我慢してしまいがち。

若い女性は婦人科には少し抵抗があるかもしれません。

しかし、重い生理痛と生理の度に膀胱炎のような症状が起こるなら一度きちんと病院で調べてもらいましょう。

まとめ

生理中の膀胱炎には、バイ菌で起こる膀胱炎以外に膀胱子宮内膜症が考えられます。

膀胱子宮内膜症の症状は

  • 排尿の時の痛み
  • 排尿後の痛み
  • 尿に血が混じる
  • 尿道や膀胱の痛み
  • 重い生理痛

バイ菌による膀胱炎ではないので一般的な膀胱炎の薬は効きません。

生理の度に膀胱炎になるなら一度病院できちんと検査をしてもらいましょう。

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