閉経後の女性が繰り返す膀胱炎は若い頃とはタイプが違う

こんにちは。骨盤底筋パーソナルトレーナーの北條ゆきえです。
女性は男性より尿道が短いという体のつくりから膀胱炎になりやすくなっています。
膀胱炎には
- バイ菌による細菌性の膀胱炎
- バイ菌ではない非細菌性の膀胱炎
と大きく2つに分けることができます。
若い頃の膀胱炎は、尿道から何らかの理由でバイ菌が入ってしまう細菌性の膀胱炎が一般的です。
しかし、閉経後の女性の繰り返す膀胱炎には、細菌性の膀胱炎の他に非細菌性の膀胱炎の可能性が高くなります。
そして、閉経後の女性は一般的な膀胱炎に加えて
- 原因不明の間質性膀胱炎
- 女性ホルモンの低下で起こる膀胱炎
などを考えなくてはいけません。
非細菌性の膀胱炎は、バイ菌による膀胱炎ではないため一般的なバイ菌をやっつける薬は効きません。
そのため、薬を飲んでも良くならずに同じような症状を繰り返すことが多くあります。
今回は、閉経後の女性の繰り返す膀胱炎の中で、2つの膀胱炎について分かりやすく説明します。
目次
閉経後の女性が繰り返す膀胱炎
私も膀胱炎には何回かなったことあるわよ。だから、膀胱炎になるとまたかって思うわ
Aさん
そうですよね、何度か膀胱炎になったことがある女性はまたかと流しやすいでるね
ゆきえ
膀胱炎は、女性にとって比較的なじみのある(適切な表現ではないですが)ものだと思います。
そのため、また膀胱炎かとスルーしやすいのも事実です。
しかし、余りにも繰り返し起こっているなら、いつもと同じ対応で済ませずにきちんと検査を受けることをおススメします。
間質性膀胱炎
間質性膀胱炎の約90%が成人女性だと言われ、その中でも中年以降の女性に多いと言われています。
間質性膀胱炎は、原因不明で膀胱の内側が傷つきます。その傷を何回も繰り返しているうちに、膀胱は少しずつ硬く小さくなってしまいます。
そして、膀胱の内側に傷があるために、尿が溜まると敏感に痛みとして反応してしまいます。
え!膀胱って尿を溜めるところなのに尿に反応しちゃうなんて
Aさん
間質性膀胱炎の場合、尿の中にある何らかの刺激物に反応していると言われています。
そのため、食べたものや飲んだものが影響します。
刺激物は人によって異なり、調味料や刺激の強い飲み物など本当に様々です。
その中でも良く言われるのが柑橘系の食べ物や、刺激の強い香辛料、カフェインなどです。
症状
- トイレが近い
- 尿を溜められない
- 尿が溜まると膀胱に違和感
- 尿が溜まると膀胱がズキズキとした強い痛み
- 下腹部の重い感じの違和感や痛み
- トイレを我慢できない
- 尿を出すと楽になる
間質性膀胱炎は、尿の中の物質に反応しますので、尿が溜まると違和感や痛みを感じるのが特徴です。
そして、尿を溜められずにトイレが近くなり、尿を出せば楽になる。
尿が溜まってムズムズ違和感があっても、トイレに行けば改善するからと、膀胱の違和感を気にせずただトイレが近いとだけ自覚している人もいます。
膀胱にしっかりと尿を溜められないことと、膀胱の内側に傷があるために膀胱は少しずつ硬く小さくなり尿が溜まっても膀胱が膨らまなくなってしまいます。
治療
泌尿器科で、尿道から膀胱に専用のカメラを入れて膀胱の内側を覗く検査で調べます。
そして、治療の時も専用のカメラを使って傷ついている所を直接治したり、膀胱を膨らまして強制的に大きくすることでおおよその症状は改善されると言われています。
また、痛みを取る薬を飲むことで楽になる方もいます。
間質性膀胱炎のハンナ型と言われるタイプで症状が重い人は難病指定される病気です。
食べ物に注意してみる
間質性膀胱炎は、尿の中の何らかの物質に反応していると言われています。
その物質は人それぞれですので、自分で何を食べたり飲んだりしたら症状が出るかを覚えてこの病気と付き合っていくことが大切です。
トウガラシなどの香辛料、アルコール、カフェイン、柑橘系、トマトなどなど言われていますが、これらを気にするあまり何も食べられないと神経質になりすぎる方もいらっしゃいます。
上手に付き合っていくことが大切ですから、神経質になり過ぎず、膀胱に違和感を感じた時、自分は何を口にしたかを振り返ってみてください。
そして、可能性があるものをメモして注意し自分なりの代用できるものを探していきましょう。
それが食べられないから全てがダメと思わないようにしましょう。
女性ホルモンの低下で起こる膀胱炎
閉経すると、女性ホルモンのエストロゲンというホルモンが低下します。
このエストロゲンが低下することで、女性は体にさまざまな不調、不具合をきたします。
その中の1つに、膀胱炎があります。
女性ホルモンのエストロゲンが低下すると外陰部や膣、尿道の粘膜に血流が少なくなり粘膜が薄くなってしまいます。
デリケートゾーンの粘膜が薄くなると
- 外陰部は刺激を受けやすくヒリヒリしたり
- 膣は潤いを無くして膣炎になりやすく
- 尿道はバイ菌が入りやすくなって膀胱炎になりやすい
このような状態を閉経後性器尿路症候群と言われています。
治療
婦人科を受診して、女性ホルモンの値を調べ、更年期症状の度合いで女性ホルモンを補充する治療が行われます。
女性ホルモン以外にも漢方や、外陰部のヒリヒリが強い場合は軟膏などもあります。
膀胱炎は、検査をしてバイ菌によるものであればそれに効く薬が出されます。また、膣炎からの影響も考えられますので膣炎の検査、治療も必要となります。
優しく、そして清潔にする
閉経後の女性は、女性ホルモンの低下により膣炎や膀胱炎、そして外陰部のヒリヒリとデリケートゾーンは若い時よりかなり敏感で影響を受けやすくなっています。
そのため、日頃からデリケートゾーンをきれいに保ち強い刺激を与えないことが大切です。
- 排尿後は強く拭かずに優しく押し拭き
- 石鹸でゴシゴシ洗わない
- パッドは頻繁に交換する
- 骨盤周辺の血行を良くする
- 冷やさない
女性のデリケートゾーンはもともと敏感ですが、閉経後はさらに敏感になりますから若い頃より気にかけてあげましょう。
閉経後のデリケートゾーンの痛みやかゆみについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ
間質性膀胱炎にも女性ホルモン低下による膀胱炎にも骨盤底筋トレーニングが有効
間質性膀胱炎にも女性ホルモンの低下による膀胱炎にも骨盤底筋トレーニングが良い効果があるとされています。
なぜなら、骨盤底筋を積極的に動かすことで骨盤内の血液循環量が増すからです。
骨盤内の血流が増加することにより、デリケートゾーンのヒリヒリした痛みや違和感が改善されます。
また、骨盤底筋トレーニングは骨盤周辺の原因不明の痛みが起こる慢性骨盤痛症候群に効果があるとされています。
慢性骨盤痛症候群の1つの原因として間質性膀胱炎が考えられると言われていることから、骨盤底筋トレーニングは間質性膀胱炎にも効果的であると言えるでしょう。
正しい効果的な骨盤底筋トレーニングをするための4つのポイント
骨盤底筋を鍛える時のポイントは、自分の骨盤底筋の場所をしっかりと認識し、
意識を骨盤底筋にフォーカスして動かすことが大切です。
頑張って骨盤底筋を鍛える体操をしていても、そもそも骨盤底筋を意識できないのなら効果的に動かしているとは言えません。
ポイント1:骨盤底筋の場所を認識する
骨盤底筋は体のどこにあるの?
Aさん
簡単に言うと自転車に乗ってサドルに当たる部分が骨盤底筋ですよ。
ゆきえ
サドルって何となくひし形ですよね、骨盤底筋もひし形の形をしています。
それで、自転車に乗るとピッタリとサドルに当たる部分が骨盤底筋なんですよ。
また、椅子に座ると両方のお尻に骨が当たりますね、
その骨の内側の部分で恥骨から尾骨にかけてひし形の形をして広がっています。
ポイント2:骨盤底筋に意識をフォーカスする
骨盤底筋の場所が分かったら、そこをギューッと締めてみましょう。
椅子に座っていると座面に接しているので骨盤底筋が動くのを少し感じられるかもしれません。
ちょっと動いているかどうか分かりません…
Aさん
分からなくても心配しないでくださいね。そういう方も多くいらっしゃいますから。
ゆきえ
動いているかハッキリと分からない人は、以下の方法で確認をしてみてくださいね。
排尿している途中で尿が止まるかどうか
しかし、尿道に負担がかかるためこれを頻繁にするのはダメ!
膣に指を入れて締まるかどうか
これらの確認で、尿を止めることができたり、指に締まる感覚があれば骨盤底筋が動いていることになります。
ポイント3:動かす時にイメージしてみる
そんな簡単に言われても動かないわよ!
Aさん
Aさん、顔が変わってる!それほどイライラするってことですよね。では動かす時にイメージをしてみましょう。
ゆきえ
自分のお尻からしっぽがはえていると想像してください。そのしっぽをクルクルと自分の方向に丸める様なイメージ
尿道と肛門を前後でギューッとくっつけるイメージ
クリトリスをお辞儀させるようなイメージ
肛門を前後でギューッとくっつけたら、膣の中に皮膚がメリメリと入っていくイメージ
骨盤底筋は、インナーマッスルの1つで関節運動が伴わないためとても自覚がしにくい筋肉です。
そのため、イメージしながら動かすことはとても有効です!
ポイント4:骨盤を正しい位置にして動かす
骨盤が前に傾いていたり、後ろにズリっとしていると骨盤底筋は均整が保たれず効果的に動かすことができません。
そのため、骨盤底筋を鍛える時は、正しい姿勢を意識して動かしましょう。
もっと詳しい骨盤底筋トレーニングについてはこちらの記事を参考にしてください。
骨盤底筋トレーニングをするなら骨盤底筋をしっかりと意識しましょう!
まとめ
閉経後の女性の膀胱炎は、一般的な膀胱炎に加えて
- 原因不明の間質性膀胱炎
- 女性ホルモンの低下で起こる膀胱炎
などが考えられます。
間質性膀胱炎の特徴は
- 尿を溜めると膀胱に違和感や痛み
- 尿を溜められないためトレイが近い
- 尿を出せば楽になる
- 食べ物や飲み物に影響される
女性ホルモンの低下による膀胱炎は、
- デリケートゾーンの粘膜が薄くなって起こる
- デリケートゾーンは粘膜が薄いため敏感
- 若い頃よりデリケートゾーンを優しく扱う
- デリケートゾーンは清潔に保つ
そして、これらの膀胱炎には骨盤内の血液循環を良くすることで改善が見込まれます。
骨盤内の血液循環をよくするためには骨盤底筋トレーニングが有効です。
また、閉経後のデリケートゾーンのお悩みには夫婦生活も関係してきます。
デリケートゾーンのヒリヒリから夫婦生活に悩みを抱えている女性は少なくありません。
私は、医療現場で尿漏れや膣トラブルなどで、誰にも言えずに不安を抱えて心を痛めている女性を沢山みてきました。
私は、正しい効果的な骨盤底筋トレーニングを分かりやすく指導することができ、
また、看護師とカウンセラーとしての知識を活かし、誰にも言えない女性のお悩みも解決に導くことができます。
一度、ご相談ください。